リンクナースシステムはイギリスに端を発した医療制度です。立ち上げ当初は、院内における感染対策を念頭にリンクナースの役目は考えられていました。病棟の感染対策の課題と目標、計画に従った感染管理を実践する役目を期待されていたのです。サーベランス対策が主として活動していたリンクナースも、その存在意義が認められるに従い、他の領域にも携わるように変わっていきます。褥瘡管理や緩和ケアなど、他分野でもリンクナースの必要性が認識されていったのです。
リンクナースに求められる資質には、医療に関する高度な専門知識以外に、多岐に亘る能力が求められます。医師や専門チームと連携を取りながら、看護師に必要な情報を伝達するためには、高いコミュニケーション能力が必要です。病棟の状況によっては、情報を伝達するだけではなく、業務改善に向けた指示を行う必要が出て来ることもあります。正確に情報を伝達できる力だけではなく、リーダーシップ力も求められるのです。
病棟によっては、リンクナースを養成する講習を提供するところも見られます。リンクナースでの就業を希望する看護師に対し、専門領域に関する知識や技術の研修を行うのです。リンクナースに期待する人物像には、一定期間に亘る看護師経験があり、リーダーシップ力を期待できる人材が挙げられます。リンクナースになることで、資格手当が与えられたり、病棟での重要なポジションに立てたりといったメリットを受けることも珍しくありません。